「小池知事と電通、不正な税金4.2億円」は本当なのか?

尊厳経済

YouTubeを見ていたら、小池百合子東京都知事に対して、かなり強い口調で批判する場面がありました。

「電通に税金を流した!」

「これは不正じゃないのか!」

コメント欄にも、

「小池知事は電通に不正にお金を流した」

「私利私欲だ」

という批判が並んでいました。

私は最初、

「本当にそんな不正があったの?」

と思いました。

そこで調べてみました。

すると、単純な「小池知事=悪」という話ではないことが見えてきました。

そして調べれば調べるほど、私は別の疑問を持つようになりました。

私たちが本当に議論すべきなのは、そこなのだろうか?


まず「事実」だけを見てみる

2024年度、東京都庁で行われたプロジェクションマッピング事業。

その「映像制作・PR等」を受託したのが、株式会社電通ライブでした。

契約額は、

419,999,651円。

約4.2億円です。

ここは事実です。

そして、電通ライブは電通グループの会社です。

一方、親会社の電通は東京五輪をめぐる談合事件によって、当時、東京都から指名停止措置を受けていました。

だから批判する人からすると、

「電通は指名停止なのに、その100%子会社に4.2億円の仕事を出すの?」

となります。

この疑問は分かります。

しかし東京都側の説明は違います。

電通と電通ライブは別法人であり、電通ライブは指名停止の対象ではない。

つまり、東京都の当時の契約制度では、電通ライブが事業者選定に参加すること自体は禁止されていませんでした。

ここで、

「なんだ、それはおかしい!」

と思う人もいるでしょう。

それなら、

「親会社が指名停止になった場合、100%子会社も対象にすべきではないか?」

という制度の議論をすればいい。

しかし、

「電通ライブが受注した」

という事実から、

「小池知事が不正に電通へ税金を流した」

まで一気につなげるには、その間を証明する根拠が必要です。

さらに、

「小池知事が私利私欲のためにやった」

とするなら、小池知事個人が利益を得たことを示す根拠も必要になります。

少なくとも、私が確認した公開資料から、その事実は確認できませんでした。


では、本当に議論すべき問題は何なのか?

ここまで調べて、私は違うところが気になり始めました。

そもそも、

なぜ東京都は、税金を使ってプロジェクションマッピングをやることにしたのか?

ということです。

2024年度の都庁プロジェクションマッピング事業全体の決算は約9.4億円。

東京都は、夜間観光を活性化し、都庁を新しい観光資源にするという目的を掲げています。

でも私は個人的には、

「約9億円を使うなら、本当にプロジェクションマッピングが一番効果的だったの?」

と思います。

観光客を増やす方法は、ほかにもたくさんあります。

では、

他の観光政策と比較したのか?

なぜプロジェクションマッピングを選んだのか?

何人来れば成功と考えていたのか?

税金を投入する必要があったのか?

私は、こちらの方がはるかに重要な議論だと思います。


実は、都議会でも反対意見は出ていた

調べてみると、東京都議会でもプロジェクションマッピングに対する反対意見は出ていました。

「行政が税金を使ってやる必要があるのか?」

「民間事業者がやるべきではないか?」

実際、関連するプロジェクションマッピング事業の予算を削除しようという修正案まで提出されています。

しかし、最終的には予算が成立しました。

ここで、とても重要なことに気づきます。

プロジェクションマッピングは、小池知事一人が勝手に決めたものではありません。

東京都側が政策を作る。

予算案を提出する。

東京都議会で議論する。

賛成意見も反対意見も出る。

そして議会が予算を議決する。

その結果として事業が実施されています。

だったら、

「小池知事が悪い!」

だけで終わるのは、少し違うのではないでしょうか。


「誰が悪い?」ではなく「誰がYESを出した?」を見る

ここで私は、一つの仕組みを思いつきました。

重要な政策について、

議員一人ひとりがYESだったのか、NOだったのかを、誰でも簡単に確認できるようにする。

たとえば、

重要政策 議員A 議員B 議員C
プロジェクションマッピング関連予算 YES NO YES
子育て支援予算 YES YES NO
○○再開発 NO YES YES
○○条例 YES NO NO

そして、

「なぜYESにしたの?」

まで分かるようにする。

私はプロジェクションマッピングへの税金投入には反対です。

だからといって、YESを出した議員を「悪」と決める必要はありません。

その理由を聞いて、

「なるほど」

と思うかもしれない。

それでも、

「私は違う」

と思うかもしれない。

だったら、次の選挙で判断すればいい。


公約も「言った」で終わらせない

さらに、政治家が選挙で掲げた公約も登録します。

そして当選後、

公約を実現するために何をしたのか?

を追跡する。

議会で質問したのか?

提案したのか?

予算確保に動いたのか?

法案や条例案を提出したのか?

そして結果はどうなったのか?

大切なのは、

「実現できなかった=悪い政治家」

にしないことです。

一生懸命動いても、議会で否決されることがあります。

だから、

「公約を達成したか」だけではなく、「公約に向かって何をしたのか」

を見る。

政治家の言葉ではなく、行動を見るのです。


そして私は、これを「民主主義2.0」と呼びたい

これまでの民主主義を、あえて

「民主主義1.0」

と呼んでみます。

民主主義1.0では、

政治家が決める。

国民はニュースを見る。

そして、

「小池が悪い!」

「○○党は許せない!」

「政治家は信用できない!」

と批判する。

政治家は政治家。

国民は国民。

いつの間にか、

「政治をする人」と「政治に文句を言う人」

に分かれてしまった。

これが、私の考える民主主義1.0です。


民主主義2.0では、国民自身が意思決定する

民主主義2.0では違います。

誰かを批判して終わらない。

「私は反対です」

と言うなら、

「では、あなたならどうする?」

まで考える。

プロジェクションマッピングに9億円使うことに反対なら、

「無駄遣いだ!」

で終わらせない。

「私は、その9億円ならこちらの政策に使う」

という代案を出す。

そして、

賛成案を見る。

反対案を見る。

データを見る。

費用を見る。

結果を見る。

その上で、

自分自身がYESかNOかを決める。

政治家だけが意思決定するのではない。

国民自身も、主体的に意思決定する。


政治家 VS 国民を終わらせる

私は、政治家と国民が戦う必要はないと思っています。

政治家を監視して、

「悪い政治家を見つけて叩く」

ことが民主主義なのではない。

政治家も意思決定する。

議員も意思決定する。

そして、

私たち国民も意思決定する。

意見が違ってもいい。

YESでもいい。

NOでもいい。

重要なのは、

なぜ、その判断をしたのか。

そして、

自分ならどうするのか。

まで考えること。


批判する民主主義から、意思決定する民主主義へ

今回、私は「小池知事と電通の4.2億円」という問題を調べるところから始めました。

でも、最後にたどり着いた問いは、

「小池知事は悪いのか?」

ではありませんでした。

「では、私はどう判断するのか?」

でした。

誰かが悪い。

○○党が悪い。

政府が悪い。

そんな政治から、

「私はこう考える」

「私はこの案を選ぶ」

「そのために、私はこの議員を選ぶ」

という政治へ。

政治家の意思決定を見える化する。

公約と行動を見える化する。

そして国民自身も、政策について考え、代案を出し、YES/NOを判断する。

政治家と国民を分断する政治から、

一人ひとりが政治の意思決定者になる社会へ。

私はこれを、

民主主義2.0

と呼びたいと思います。

「誰が悪い?」から、「私はどうする?」へ。

批判する民主主義から、意思決定する民主主義へ。

民主主義を、次のバージョンへ。

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