NHKの大河ドラマ『真田丸』や『軍師官兵衛』を見ていると、
「なぜ人は争うのだろう?」
「なぜ国と国は対立するのだろう?」
と考えることがあります。
戦国時代を見ていると、裏切り、同盟、戦争、和睦が次々と起こります。
さらに現代の国際ニュースを見ると、登場人物や国の名前は違っても、どこか似たような構図が繰り返されているようにも見えます。
しかし歴史や国際情勢を学び始めると、あまりにも複雑です。
宗教、経済、民族、資源、領土問題など、様々な要素が絡み合っています。
そこで自分は、
「もっとシンプルに整理できないだろうか?」
と思いました。
そして行き着いたのが、次の考え方です。
国の状況を「戦争を仕掛けられること」、つまり「やられる」という言葉で定義すると、
世界は、
「やられる前にやる」
「やられる前にやらない」
という2つのパターンで整理できるのではないか。
今日は、その考え方を3つの視点から考えてみたいと思います。
人間関係で考えてみる
国に住んでいるのは人間です。
そして国とは、多くの人間が集まった集団とも言えます。
例えば人間関係でも、
「あの人は自分を攻撃してくるかもしれない」
と思えば、防御したり、距離を取ったりします。
場合によっては、自分から先に強く出ることもあります。
一方で、
「この人は信頼できる」
と思えば、そのような行動は取りません。
国同士の関係も、規模が大きくなっただけで、基本的な構造は似ているように思います。
このように考えると、国同士の争いも人間関係を拡大したものとして見ることができます。
では、その行動を生み出している根本的な原理は何なのでしょうか。
心理学で考えてみる
心理学者ユングの考え方を参考にすると、人間は苦しみを避け、快楽を求める存在です。
不安を避けたい。
恐怖を避けたい。
危険を避けたい。
だから行動する。
そう考えると、
「やられる前にやる」
という選択も、根底には恐怖や不安の回避があるのかもしれません。
もし人間の行動原理が恐怖や不安の回避にあるなら、国家の行動も同じように説明できるかもしれません。
では実際の国際情勢に当てはめて考えてみます。
ロシアのウクライナ侵攻で考えてみる
ロシアによるウクライナ侵攻を正当化するつもりはありません。
しかし、プーチン大統領の立場から見た時、NATOの勢力拡大は脅威として映った可能性があります。
つまり、
「このままではやられるかもしれない」
という恐怖です。
その結果、
「やられる前にやる」
という選択を取ったとも考えることができます。
歴史を振り返れば、ドイツのポーランド侵攻や朝鮮戦争なども、同じ構造で見ることができるかもしれません。
一方で、
「やられる前にやらない」
という選択もあります。
ここで言う「やらない」とは、何もしないことではありません。
交渉する。
対話する。
同盟を結ぶ。
妥協する。
沈黙する。
様子を見る。
そういった選択も含まれます。
つまり、
「やられる前にやる」が力による解決だとすれば、
「やられる前にやらない」は力以外の方法による解決とも言えるのです。
ここまで、
人間関係、
心理学、
国際情勢という3つの視点から見てきました。
すると、共通して見えてくるものがあります。
その背景にあるもの
どうでしょうか。
この3つの視点で考えた時、その背景に共通して存在しているのは、恐怖や不安ではないでしょうか。
人は傷つくことを恐れます。
国家は滅びることを恐れます。
そして、その恐怖を回避しようとする行動が、時として争いを生み出してきたように思います。
世界は複雑に見えます。
しかし、その奥には、
「やられる前にやる」
あるいは
「やられる前にやらない」
という、とてもシンプルな構造があるように自分には見えるのです。
しかし一方で、人類は長い歴史の中で、この恐怖や不安を回避するための様々な仕組みも生み出してきました。
では、人間は恐怖や不安を回避するために、これまでどのような方法を作り上げてきたのでしょうか。
次回は、その視点から考えてみたいと思います。

